友達に営業してみたら、だいたい全部裏目に出た話

AIでサイトを4パターン作った。プレビューを何回も開いてニヤけてた。

友人が飲食店をやってる。検索してもサイトが出てこない。Googleの口コミはどの店舗も高い。サイトがあれば絶対いいはずだって、勝手にそう思ってた。

サプライズのつもりだった。

不安はあった。AIに壁打ちした。妻にも見せた。でもそわそわは消えない。見せないほうが勿体ない。そう思って電話をかけた。

つながらなかった。

少しして夕飯ができた。食卓につこうとしたタイミングで、向こうから折り返しが来た。

「ごめん、今ちょうど飯だからまたかけ直すわ」

これが言えてたら、たぶん全部違った。準備もできた。話す方向性だって考えられた。

でも現実は違った。

久しぶり、最近どう。そんな流れで店の話を振った。相手からすれば「お前から電話してきたんだろ、何か話したいことがあるんだろ」だ。

「いいわいいわ。で、どうしたん?」

焦った。あたふたした。何を言っていいかわからなくて口走った。

「実は今、AIでサイト作ってて」

営業マンの初日だった。

本来なら友達なんだから、普通に近況を話して、相手の話を聞いて、課題が見えたらそこに繋げる。営業ってそういうもんだったはずなのに。


「ホームページ、あるよ」

一言で終わった。

話してる最中に、相手の声のトーンでなんとなくわかってた。でもこの一言で完全に終わった。

URLをもらって確認したら、ちゃんと費用を払って作ったサイトだった。しかも中身は事業拡大向け。パートナー募集のページ。こっちが持っていったのはお客さん向けのサイト。

根本からズレてた。何も聞かないで勝手に作ったのが、全部あだになった。

4パターン送った。

「色が違うだけで全部同じなん?」

そりゃそうだ。求めてるものがそもそも違うんだから。


この年になるまでに、いろんな話を聞いてきた。誰々が保険の営業になって連絡してきたとか、昔の知り合いからビジネスの話が来たとか。聞くたびに「うわー」って思ってた。

まさか自分がそっち側になってるとは思わなかった。


もう1人、声をかけようとしてた相手がいた。

共通の友人に相談したら「あいつはお前の話聞かないからやめとけ」って止められた。

声すらかけてない。


食卓に戻ったら、妻はもう食事を終えてた。子供たちは終盤。

せっかく作ってくれたご飯を、テンション高く食べられなかった。いつもよりちょっと味がしなかった。いつもなら食事中にスマホなんかいじらないのに、その日だけはスマホを触りながら食卓についてた。

相手に変な思いさせてたらどうしよう、がずっと頭の隅にあった。


手札が増えたわけじゃない。でも増やすための引き出しは見つかった。

話し方、タイミング、ヒアリング。全部足りてなかった。ちょっと舐めてた。

失敗しなきゃ成功できない。知ってたけど、自分の番が来るときつい。

次はご飯を食べてから折り返そう。