ストレスの気づき方 〜いつもと違う自分に気づく〜





ストレスの受け取り方や反応は個人差が大きい。ただし、長時間に渡ってストレス要因の刺激を受けた場合や、強いストレス要因を受けた時に生じるストレス反応は、ストレス要因の種類に関係なく心身に同様の反応が起きてくる。これは「 汎適応症候群 」と呼ばれるが、この反応による身体面・行動面・心理面の異変を捉えることが、ストレスの気づきに繋がる。

 

身体面の変化

ストレスがかかると表1のような反応が身体の異変として発生する可能性がある。これらの変化は、「具合の悪さ」として体感されるため、自分で気づきやすいという特徴をもつ。

これらの異変は様々な身体面の異常、疾患を引き起こす可能性がある。胃・十二指腸潰瘍や下痢・腹痛を繰り返す過敏性腸症候群などの消化器系症状、そして気管支喘息、過換気症候群などの呼吸器系症状は代表的な心身症といえる。

ただし、身体の異変をストレスとばかり思い込むと、実際の身体疾患を見落とす恐れがあるので注意が必要である。

表1.身体面の反応
急性反応:動悸、発汗、顔面紅潮、胃痛、下痢、振戦、筋緊張
慢性反応:疲労、不眠、循環器症状、消化器症状、神経筋肉症状

行動面の変化

行動面では表2のような反応が異変として発生する可能性がある。これらの変化は自分で気づかなくても、家族や友人、同僚など、自分の周囲の人が気づきやすいという特徴がある。

行動面では、労働者にとっての仕事ぶり(表3)、特に出勤状態は客観的なデータで把握しやすいポイントといえる。仕事ぶりや出勤状態は通常職場の上司が管理を行っているので、上司から指摘があった場合は素直に自分を振り返ってみる姿勢が大切である。

表2.行動面の変化
急性反応:回避、逃避、エラー、事故、口論、けんか
慢性反応:遅刻、欠勤、作業能率の低下、大酒、喫煙、やけ食い、生活の乱れ

 

表3.仕事ぶりの変化
1.出勤状態が通常でなくなる
2.遅刻や早退が増加する
3.事故発生率が高くなる
4.以前は素早くできた仕事に時間がかかる
5.以前は正確にできた仕事にミスが目立つ
6.ルーチンの仕事に手こずる
7.業務遂行レベルが良かったり悪かったりする
8.取引先や顧客からの苦情が多い
9.同僚との言い争いや、気分のムラが目立つ
10.期限に間に合わない
11.平均以上の仕事ができない

 

心理面の変化

心理面では、ストレスがかかると表4のような反応が異変として発生する可能性がある。これらの変化も「具合の悪さ」として体感されるが、気づいたとしても対処の仕方が難しいという特徴をもつ。

心理面の変化をとらえた際、「こういう状態になっているのは自分が性格的に弱いからだ」「自分がしっかりしていないからだ」と認知してしまう場合も多い。逆に職場批判へと気持ちが向かい、その結果、職場内の人間関係がギクシャクしてしまう場合もあるので注意が必要である。

表4.心理面の変化
急性反応:不安、緊張、怒り、興奮、混乱、落胆
慢性反応:不安、短期、抑うつ、無気力、不満、退職願望

 

いつもと違う自分に気づく

ストレスによって生じる心身の異変は、ある程度の傾向をつかむことはできても、やはりその出方は人によって様々である。そこでストレスに気づく大事な点は、「いつもと違う自分に気づく」というポイントになる(表5)。

例えば、普段から胃腸を壊しやすい人が、ストレスで胃痛を発生させたとしても、「またか」と捉えて「いつもと違う」とは捉えないであろう。普段は胃腸の丈夫な人がストレスで胃痛を発生させたとしたら、「いつもと違う」と捉えるはずである。

このように「いつもと違う」というのは、外部の基準に照らし合わせた「違い」を見つけることでなく、他人と比較をした「違い」を捉えることでもなく、自分自身の内面的な変化を捉えることがポイントになる。

「いつもと違う」が2週間の期間に渡って継続する場合には、専門家に相談するなり実際の対処が必要となる。

表5.自分が気づく変化
1.悲しい、憂うつな気分、沈んだ気分
2.何事にも興味がわかず楽しくない
3.疲れやすく元気がない(だるい)
4.気力、意欲、集中力の低下を自覚する(億劫、何もする気がしない)
5.寝つきが悪くて、朝早く目が醒める
6.食欲がなくなる
7.人に会いたくなくなる
8.夕方より朝方の方が気分、体調が悪い
9.心配事が頭から離れず、考えが堂々巡りする
10.失敗や悲しみ、失望から立ち直れない
11.自分を責め、自分は価値がないと感じる、など





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