PTSD:post traumatic stress disorderとは。原因、症状、治療法など





PTSDとは

ある強烈なショック体験や強い精神的ストレスが心のダメージとなって、時間が経過してからもその経験に対して強い恐怖を感じてしまう疾患である。

震災などの自然災害、火事、事故、暴力や犯罪被害などが原因になると言われている。

突然怖い体験を思い出す、不安や緊張が続く、めまいや頭痛がある、眠れないといった症状が出てくる。
非常に辛い体験によって、誰でも眠れなくなったり食欲がなくなったりするものであるが、それが何ヶ月も続く時はPTSDの可能性がある。

 

【疫学】
WHOによる世界精神保健調査による我が国での住民データによれば、一生のうちにPTSDになる人は1.1〜1.6%であるが、20代から30代前半の患者数は3.0〜4.1%となっている。

【原因】
生死に関わるような危険を体験したり目撃したりすることによって発症する。そして発症率は、恐怖をもたらすような体験の重症度に応じて増えていくことが知られている。

しかし、そのような体験をすれば全員がPTSDを発症するという訳ではない。発症に影響する要因としては、過去に精神疾患があったこと、過去に虐待などのトラウマがあったこと(PTSDを発症していなくても)、がある。同じ被害を受けても、女性の方がPTSDを発症しやすいとされており、また特殊な遺伝的な素因があった時には、多くのトラウマ的な出来事を体験した場合にPTSDの発症率が上昇しやすいことが最近指摘されている。

【症状】
1.突然辛い記憶がよみがえる
事件や事故のことなどすっかり忘れたつもりでいても、ふとした時に辛い体験の時に味わった感情がよみがえる。
恐怖だけでなく、苦痛、怒り、悲しみ、無力感など色々な感情が混合した記憶である。

周りから見ると、何もないのに突然感情が不安定になり、取り乱したり涙ぐんだり怒ったりするので、理解に苦しむことになる。
その事件や事故を、もう一度体験しているように生々しく思い出されることもある。また、同じ悪夢を繰り返し見ることもPTSDによくある症状である。

2.常に神経が張りつめている
辛い記憶がよみがえっていない時でも緊張が続き、常にイライラしている、些細なことで驚きやすい、警戒心がいきすぎなほど強くなる、ぐっすり眠れない、などの過敏な状態が続くようになる。

3.記憶を呼び起こす状況や場面を避ける
何気ない日常の中に辛い記憶を思い出すきっかけがたくさん潜んでいる。多くのPTSD患者は何度も記憶を呼び起こすうちに、そうしたきっかけを避けるようになる。
どんなことがきっかけになるかは本人ではわからず、本人も意識できないままでいることもある。
意識できない場合でも、自分で気づかないうちにそうした状況を避けるようになる。
その結果、行動が制限されて通常の日常生活・社会生活が送れなくなることも少なくない。

4.感覚が麻痺する
辛い記憶に苦しむことを避けるために、感情や感覚が麻痺することもある。そのために家族や友人に対してこれまで持っていたような愛情や優しさなどを感じられなくなったり、人に心を許すこともできなくなりがちである。

5.いつまでも症状が続く
こうした症状は、辛く怖い経験の直後であればほとんどの人にあらわれるものである。したがって、事件や事故から一ヶ月くらいの間は様子をみて、自然に回復するのを待つ。

 

【治療】
・持続エクスポージャー療法
トラウマとなった場面をあえてイメージしたり、これまで避けていた記憶を呼び起こすきっかけにあえて身を置くようにする治療法である。
こうすることで、思い出しても危険はない、怖いことはないということをそれこそ肌身を通じて感じ取っていく。
この治療は、専門の治療者の立会いの元に今の状況が安全であることを患者がよく理解した上で行う必要がある。
「思い出すことが治療につながる」という知識だけで十分な経験のない人が患者の記憶の再体験を促すと、かえって不安が強まって症状が悪化することもあるので、必ず持続曝露両方の知識と経験のある治療者の元で行うようにする。

・薬物療法
SSRIをはじめとする抗うつ薬や抗不安薬、気分安定薬や、その他にも色々な薬物を症状に合わせて使用する。

 

【参考文献】
1)厚生労働省HP,「PTSD」,(http://www.mhlw.go.jp/kokoro/nation/vision.html),閲覧日2017/11/17


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